オバマ米大統領は7月21日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、パレスチナ自治区ガザへのイスラエルの軍事作戦で市民の犠牲者が増大していることを「深く懸念している」と表明。ケリー米国務長官に即時停戦の実現に向けて最大限の努力を尽くすよう指示したことを明らかにした。
米高官「情勢極めて複雑」
ガザ当局者によると、イスラエルがイスラム原理主義組織ハマスに対する軍事作戦を始めて以降のガザの死者数は21日現在約550人、負傷者は約3500人となった。
イスラエル軍は22日もガザでの軍事作戦を続行。AP通信によると、モスク(イスラム教礼拝所)を含む70カ所以上を空爆。軍報道官はこれまでに同国軍兵士27人が死亡したと明らかにした。
ケリー氏は22日、停戦案を提示してきたエジプトのシシ大統領やシュクリ外相とカイロで会談した。停戦調整がようやく本格化したが、ロイター通信によると、米政府高官は「情勢は極めて複雑だ。(停戦交渉は)容易ではない」と語った。
停戦合意の際、ハマスにガザ境界の封鎖緩和などの「得点」をどこまで与えるかが焦点だが、中東諸国の対立が影を落とし、早期の停戦成立は予断を許さない。