もっとも、子供の頃からリズム感が抜群によかったわけではなかったという。
「運動神経が全くないので、リズム感はなかったですね。ドッジボールをすれば突き指するし、走れば転ぶし、運動という運動は全部ダメでした。音楽的センスが昔からあったかというと、そうではなかったと思うんです。ただ、音楽が鳴っている場所にいるのが好きでしたね」
高校時代からバンドを始め、大学時代は最高で8バンドを掛け持ち。本格的な音楽活動を始める。
ドラムの腕だけでなく、幼少の頃からクワイヤ(聖歌隊)に入っていたため、歌唱力にも定評がある。当初はドラムをたたかず、ボーカルでのデビューを目指していたが、なかなかチャンスは来なかった。そんなある時、「ドラムをたたきながら歌ってみれば」というプロデューサーのひと言が人生を一変させた。
「最初は、そんなの絶対無理だと思ったんですよ。でも、3カ月後にライブがあって、猛練習しましたね。そのライブは散々だったんですよ。腕は上がらないし、窒息するって、こういうことなのかって(笑)。それでも、周りの人は『これはいける』と思ってくれて、私自身も『いけるんじゃないか』という手応えみたいなものがあったんです」