ただ、首相に先んじて中南米を歴訪したのは中国の習近平国家主席(61)だ。習主席は7月に大型インフラ投資などの巨額の経済支援を手土産にブラジル、ベネズエラなどを歴訪。新興5カ国によるBRICS首脳会合では「いかなる勢力も侵略の歴史を覆そうとすることを許してはならない」とわざわざ歴史問題を持ち出し、日本を牽制(けんせい)した。
すでに中国と中南米諸国との貿易総額は昨年(2013年)、日本の約3.6倍まで拡大。外務省幹部は「中南米で中国は着実に浸透と台頭を図っている」と警戒する。
中国が着々と自陣を固める中、日本は伝統的な親日国以外の国を味方に取り込むための「次の一手」も必要になる。(ブラジリア 是永桂一/SANKEI EXPRESS)