首相は、ブラジル国内の穀物輸送や輸出に必要な鉄道や港湾、道路などのインフラ整備について全面的な支援を表明。首脳会談後には、両国の関係者がブラジルの海底油田開発で、日本の技術を導入した巨大洋上基地を建設することを盛り込んだ海洋資源開発促進の覚書に署名する。
安倍首相はルセフ大統領と会談する前日の7月31日には、訪問先のチリのサンティアゴでミチェル・バチェレ大統領(62)と会談した。チリが世界最大の銅産出国であることを踏まえ、資源開発分野での連携強化で一致。両国とも地震による被害が多いため、防災面の協力拡大も確認した。会談後、こうした内容を盛り込んだ共同声明を発表した。
日本が輸入する銅の48%はチリ産。首相はチリとの関係強化で資源の安定的な確保を目指す。難航する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結に向けて双方が取り組むことでも合意した。(ブラジリア 是永桂一/SANKEI EXPRESS)