古代ペルシャで生まれたゾロアスター教やイスラム教、キリスト教が混ざり合った教義を持つとされるヤジド派は、イスラム国にとって信仰上の「敵」であり、「ジハード(聖戦)」の対象というわけだ。
イスラム国は8月7日、クルド兵が防衛するモスル北郊のダムを占拠したとも宣言した。真偽は確認されていないが、事実ならイラクを南北に流れる大河チグリス川の要衝を押さえたことを意味し、イラク政府にとっては大きな打撃だ。
イスラム国は6月上旬、電撃的にモスルを制圧後、首都バグダッドに向けて進撃。最近は北部クルド人自治区にも矛先を向け、自治政府のあるアルビルをうかがう勢いをみせていた。
モスル制圧時にイラク軍が放棄した戦車や装甲車を保有しているほか、モスルの銀行などから大量の現金を強奪。これが国内外のジハード主義者を引きつけて勢力を拡大する要因ともなっている。(カイロ 大内清/SANKEI EXPRESS)