≪厚労省、国内流行の恐れ「ほとんどない」≫
エボラ出血熱についてWHOが緊急事態を宣言したことを受け、厚生労働省は8月8日、各地の空港の検疫所に渡航者や帰国者への情報提供を徹底するよう呼びかけた。国内の感染拡大の可能性について、厚労省の担当者や専門家は「仮に日本に患者が入ってきても国内で流行する恐れはほとんどない」との見方だ。
日本では感染症法に基づき、エボラ出血熱を極めて危険な1類感染症に指定、医師による速やかな届け出や就業制限、強制的な入院措置などを定めている。
ウイルスは、体液や血液への接触を通じて感染する。国立感染症研究所の西條政幸・ウイルス第1部長は、西アフリカで起きている拡大の原因として、感染症の知識不足や、葬儀で遺体を触る習慣、手袋やガウンなど病院内で感染拡大を防ぐための資材不足を挙げ「先進国にはない特有の事情がある」と指摘する。
厚労省によると、患者を受け入れられる体制の整った病院は全国で40以上指定されている。ウイルスの遺伝子を検出する検査法も確立している。