流行地域で感染した人が日本に入って発症し、吐いたものを周囲の人が素手で片付け、さらに感染するなどの危険は否定できない。西條氏は「最初の患者に診断がつけば、接触した人を特定し見守る対応が可能になる。患者が出ても感染の連鎖が持続することは予想できない」と話す。
西條氏は「日本で心配ないといっても遠い国の話だと思わず、現地にどう協力できるか考えるべきだ。それが国内の感染症対策の充実にもつながる」と強調する。(SANKEI EXPRESS)
■エボラ出血熱 エボラウイルスが原因の急性感染症。世界保健機関(WHO)によると、1976年にザイール(現コンゴ)などアフリカ中部で初めて集団発生が確認された。ザイールの感染集落が「エボラ川」の近くにあったことから、この名が付いた。野生のコウモリがウイルスの宿主とされる。人間同士では、感染した人の血液、分泌物、臓器、その他の体液に濃厚に接触することで感染する。会葬者が遺体に直接触る葬儀も感染の原因と指摘されてきた。症状は発熱や頭痛、下痢、内出血や皮膚などからの出血。致死率は高く、最高で90%とされる。ワクチンや治療法は見つかっていない。(共同)