彼女をよく知る藤原耕二京都大教授(幾何学)は、「ミルザハニさんは驚異的な計算力を使って新しい公式を発見したり、理論物理など別の分野との意外なつながりを見つけたりするなど、画期的な研究を続けている。本人の印象は、小柄だがエネルギーの塊という感じ。聡明で気さく、バランスの取れた素晴らしい人だ」と語る。
欧米では、彼女の受賞を機に男性優位の数学界が、女性の活躍できる世界に変わることの意義を強調する報道が目立つ。ミルザハニさんも思いは同じだ。大学のウェブサイトに寄せたメッセージをこんな予言で締めくくった。
「数年以内に同じような賞を取る女性がもっとたくさん出てくると私は確信しています」(SANKEI EXPRESS)
■フィールズ賞 数学で卓越した業績を挙げた研究者に贈られる数学界最高の賞。賞金は1万5000カナダドル(約141万円)。フィールズ賞の対象は選考前年の12月31日時点で40歳未満の研究者に限られる上、受賞のチャンスは4年に1回しかなく、ノーベル賞より難しいとの評価もある。他の受賞者はいずれも男性で、フランス国立科学研究センターのアルトゥール・アビラ氏(35)、米プリンストン大マンジュル・バルガバ教授(40)、英ウォリック大のマルティン・ハイラー教授(38)。