九州出身の音楽アーティスト、黒木渚さん(鋤田正義さん撮影)【拡大】
だが、鋤田さんの作品を見ると、限定された思いに限らず、「女性らしさとは何だろう」とか「シンボルとは何か」といった普段の考えごととはスケールの違う疑問が次々と連想されてくる。だから、時々絵画を鑑賞しているような気分になる。
今回の写真が届いた時も、作品を見ながらそんな気分になった。マイクを持ち歌う私の前に丸い光。なんだか抽象画みたいだなと思った。奥からこちらを照らす照明は、まるで空中に漂う球体だ。私がマイクに向かって魂を吹き込んでいるようにも見えたし、私の目の前でビッグバンみたいな爆発が起きる瞬間を捉えたようにも見える。鑑賞する人の感性で、作品は無限の解釈をされる。だから、絵画みたいなんだと思う。(九州出身の音楽アーティスト 黒木渚/撮影:フォトグラファー 鋤田正義/SANKEI EXPRESS)