8月12日、米ニューヨークの書店で発売された「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の英訳本(手前)を買い求めるファンたち=2014年(共同)【拡大】
また、ニューヨークのマンハッタンにある書店では、発売解禁後の米東部時間12日午前0時に約70人のファンが行列を作り、大急ぎで買っていった。
この作品は鉄道会社に勤務する主人公、多崎つくるが高校時代の友人4人から知らぬ間に絶縁されていた理由を探す旅に出る物語。英訳版は日本語版とほぼ同じ386ページで25.95ドル(約2600円)。翻訳は日本で2009年に第1巻が発売された「1Q84」の共訳を担当した米アリゾナ大のフィリップ・ガブリエル教授。AP通信によると、村上さんは米出版社のインタビューに「船のデッキから夜、1人で海に放り込まれてしまうような感じ。そんな感情について書きたいと思った」と、執筆の動機を説明した。
「文学と音楽の仮想交響曲」
海外では昨今「ねじまき鳥クロニクル」3部作(1994~95年)や「海辺のカフカ」(2002年)などが人気を集めるが、本作については8月11日付米紙ワシントン・ポスト(電子版)が「文学と音楽による仮想交響曲」「村上作品は常に、刺激的で挑戦的で明らかに風変わりな視点が約束されている」と評するなど、欧米各紙が書評で肯定的に紹介した。