のは、当然、この本を読んだ/読んでいるからなのだけれども、そう思うとき、だから私たちは、人生の時間を過去から未来に向けて進んでいるように思うけれども、そうではなくて、私たちの人生は過去の時間を全部一緒くたにして平べったい地面にぶちまけたような道路、鉄路を追い詰められつつ、ジリジリ移動してる、そんなことではないか、みたいに思えてきて、つまり、鉄路や道路が人の心の動きとモロに同調してきて、それを、その様を、いる。いた。という操作等に凄みのある、克明な文章で書かれたこの小説を読んで読み狂人、極度にせつなくなっちゃったン。ゴシック体もせつなくて。
趣は違うけど、そのように心が痺れ、狂う感じは同じく、「男一代之改革」にもあって、読み狂人は、いまの小説はこうやなかったらアカン、と腹の底で思いました。
そして、いまからは、これからは駅、そうとりあえずは渋谷か品川駅に行ってこようと思う。そして、路線案内図を見上げようと思う。そうしたら、路線案内図の下に、よく見ないと気がつかない感じの書体で書いてあるはずだ。