ローマ法王フランシスコ(77)が8月14日から韓国を訪問中だ。注目されるのは18日にソウルで開かれる法王のミサに元慰安婦の女性が招かれたことだ。四半世紀ぶりの法王訪問に沸く韓国では、慰安婦問題などで法王の強い 発信力にあやかりたい思惑ものぞくが、ローマ法王庁(バチカン)はこうした「政治利用」には冷めた姿勢を見せており、韓国側の思惑通りに進むかは分からない。
信頼回復へアピール
韓国のカトリック教会は、宣教師による布教ではなく、18世紀に北京から教えを持ち帰った平信者により広まった。世界的にも珍しいケースだ。信者数は過去50年間で10倍の約544万人に急増した。
韓国教会は「法王が韓国をアジア初の訪問国に選んだ背景には、韓国教会の独特な歴史や発展ぶりも考慮されただろう」と指摘する。
未成年者への性的虐待問題やマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑など不祥事に揺れる法王庁にとって、信頼回復と信者拡大は必須の課題。訪韓中、法王はアジアや韓国の若者ら数千人が集う「アジア青年の日」の祭典に参加し、若者たちに存在感を示した。