クリストフェル・ピアーソン「鷹狩道具のある壁龕」1660年代(推定)_油彩・キャンヴァス_ワシントン・ナショナル・ギャラリー_Courtesy_National_Gallery_of_Art,Washington【拡大】
実物ではなく、鏡に映った像や影が主役になるアートも面白い。ラリー・ケイガン(1946~)のワイヤを使った彫刻は、一定の方向から光が当たったとたん、トカゲや蚊に“変身”する。
ダニエル・ローズィン(1961~)の「木の鏡」は、デジタル技術を駆使した。作品に人が近寄ると、デジタルカメラが近寄った人の凹凸をモーターに伝え、作品の表面に配置された木片784枚の角度をそれぞれ変える。木片は角度によって光を反射する強さが変わるため、まるで鏡のように、近寄った人の姿が映し出される。
美術に親しむきっかけ
ローズィン氏は8月8日、展示会場で、自分の作品について話した。「人の影を物(木)で表したいと思った。木を使うのは、美しい素材だから。普通の彫刻もつくるが、木を扱うのは大きな喜びだ」
今回の展覧会のために、パトリック・ヒューズ(1939~)は新作「広重とヒューズ」を出品した。画面は屏風のように波形になっていて、目の錯覚で凹凸が逆に見える。ヴィクトル・ヴァザルリ(1908~97年)の「BATTOR」も、とても画面が平面とは思えないふくらみを表現している。