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報道が歴史形成 誤りを認めて訂正を 朝日の慰安婦検証記事 (3/3ページ)

2014.8.20 11:05

「慰安婦問題どう伝えたか_読者の疑問に答えます」と題した2014年8月5日付の朝日新聞紙面(矢島康弘撮影)

「慰安婦問題どう伝えたか_読者の疑問に答えます」と題した2014年8月5日付の朝日新聞紙面(矢島康弘撮影)【拡大】

 「新聞は世界史の秒針」

 初期の日本の新聞学(メディア学)をリードした小山栄三氏は、ドイツの哲学者ショウペンハウエルの「新聞は世界史の秒針」であるという言葉を紹介した。これは、世界史が日々の出来ごとの積み重ねで作られるとの前提に立ち、新聞の役割の大きさを指摘したものだ。新聞の提供情報を基本にしてよりよい社会の建設が可能になると同時に、報道によって歴史が形成されるとの指摘でもある。

 だからこそ、朝日の慰安婦報道が間違っていたとすれば、それをはっきりと認めて訂正することこそメディアの責務ということだ。

 朝日の検証記事が掲載された(8月)5日の朝、理研のSTAP細胞論文問題をめぐり、主要著者の一人で、小保方晴子氏の指導役であった笹井芳樹氏が自殺をし、当日のテレビや新聞夕刊、翌日の新聞朝刊でも多くを占め、大半の読者・視聴者の関心はそちらに集中した。

 最近の調査では、8月15日が何の日なのかや、日本が米国と戦争をしたことを知っている10代、20代の若者が50%を割り込んだという。国民の「共有知」形成におけるメディアの責任は重い。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS

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