女性保護の後退懸念
救済協会では、被害を訴える男性に、裁判で女性側のカネの要求には決して応じず、無罪になるまで戦うよう助言している。弁護士のアロク・ラタン氏は「法の厳格化は市民感情を反映したものだが、法はそもそも、そうあるべきではない。今の法律は、男性にあまりにも厳しい。虚偽の訴えが明らかになっても通常、女性側は罪に問われない」と指摘する。
救済協会の調整役、アミット・ラカニさんは「逮捕された男性は、仕事を失ったり、社会的名誉を傷つけられたりする。性犯罪や性的いやがらせを取り締まる法律に至っては、被害者を女性だけに限定しており不公平だ」と訴えた。
ただ、インドで凶悪なレイプ事件が多発していることも事実だ。ジャワハルラル・ネール大のスネハ・バナジー上級研究員は「男性人権団体の運動によって、女性を暴力から守るための法律が弱体化されるべきではない」と、本来の女性保護の取り組みが後退することを懸念している。(ニューデリー支局 岩田智雄(いわた・ともお)/SANKEI EXPRESS)