防衛相や農林水産相を歴任した石破氏の周辺からは「なぜ今さら担当相なのか。ただの石破潰しじゃないか」との不満も漏れる。石破氏が安保担当相の就任を受ければ、離反する議員が出てくる可能性もある。
石破氏を支える議員の多くが求めるのは「幹事長続投」だ。しかし、幹事長は党のカネと選挙の公認権を一手に握るポストだけに、首相には石破氏が幹事長を長く続けることに警戒感があるようだ。
そうなると、無役に転じることもあり得るが、側近の一人は「そのほうが来年の総裁選の準備ができていい」と開き直っている。役職がなければ堂々と無派閥連絡会を「石破派」に衣替えし、資金集めもできるからだ。石破氏は第2次安倍政権発足後、「何としても安倍首相を支える」と言い続けてきたが、反旗を翻す日も近いのかもしれない。(力武崇樹/SANKEI EXPRESS)