それによると、10~12年に密猟で殺されたアフリカゾウは、中央アフリカでは4万2000頭、東アフリカでは2万4000頭、南アフリカでは4万1000頭で、計10万7000頭。さらに狩猟が禁止されている東アフリカ・タンザニアのセルース猟獣保護区のアフリカゾウが4万頭から1万3000頭に激減するなど、密猟の手口が悪質化していることなどが分かった。
中国で価格暴騰
アフリカ大陸ではこの3年間、毎年、対前年比で7%ずつ頭数が減少。出産で毎年5%ずつ頭数が増えていたものの、結局、密猟のせいで全体の個体数は減少傾向をたどっていた。
アフリカゾウの密猟は08年から急増。12年にはカメルーン北部のブバ・ンジダ国立公園で約300頭が自動小銃や手榴弾(しゅりゅうだん)で殺され、象牙が奪われた。一方で、象牙の最大消費地、中国ではここ数年、象牙の価格が暴騰。今春以降、闇市場で1キロ約2100ドル(約22万円)もの高値で取引されているという。