「悪いことをした報いで、一族にも次々、不幸が訪れているのだ」と。
感染症を呪い呼ばわりし、迫害を受けるとあらば、誰も病院に行かない。かくして、こうした病気は隠される。適切な医療を受けられず、気づいたときには感染は広がってしまっている。
今回、流行が広がっているのはまさにそうした集落だ。外から入ってくる医療関係者は、まず彼らの信頼を得て正しい知識を教えるところから始めなければならない。困難な作業だが、その困難に立ち向かう医療者が全世界にいることに頭が下がる。もちろん、日本からも複数の医師や看護師が、現地で医療活動を行っている。
アフリカ滞在の経験を持つ厚生労働省担当記者として、この数カ月間「エボラは国内に入ってこないのか? 大丈夫なのか?」と聞かれ続けている。
その問いに答えるとすれば、こうなる。「入ってこない保証はない。しかし、日本の医療水準は高く、国民には病院に行く習慣もある。だからむやみに広がることはない」。警戒は必要だが、恐れ過ぎてはいけない。(道丸摩耶/SANKEI EXPRESS)