童話中の女の子は赤い靴に魅せられ、我を忘れる。「赤い靴って、身の丈に合わない夢を見ることの象徴だと思う」と片桐はいう。「私は昔からバレエやダンスを見るのが大好きでした。でも、どう頑張っても(踊り手には)なれないと幼稚園の頃には悟り、ダンスなんて関係ないですから、と演技の道で生きてきました。でも、今(ダンスと名のつく舞台に)関われて…。夢を忘れてしまうのが幸せなのか、追い続けるのが幸せなのか。そんなことを考えています」
まさに今、片桐の目の前を、赤い靴がふわりとよぎっているのかもしれない。ただし、それはかなわぬ夢ではなく。「いいとこどりの面白いものができたら、ほかの俳優やダンサー、ミュージシャンも巻き込んでやってみたいですね」。小野寺たちと4年がかりで耕してきた畑に、今回片桐はどんな双葉を芽吹かせるのか。楽しみに待ちたい。(文:津川綾子/撮影:宮崎瑞穂/SANKEI EXPRESS)