LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)支援活動に取り組み、これまでに3冊の本を出版した東小雪さん(左)と、一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる=2014年8月13日(山下元気さん撮影)【拡大】
パートナーの力
小雪さんは宝塚を退団して以来、強烈な不安にさいなまれてきたという。壮絶な苦悩、葛藤は、オーバードーズ(過剰摂取)やリストカットという自傷行為を引き起こし、ますます自分で自分の評価を下げていく…。「記憶が意識から乖離していたので、不安がどこからくるのか気づけなかった」という彼女は10年以上、いくつもの精神科や心療内科を渡り歩いてきた。
しかし、症状に対処してもらえても、何が彼女を追い詰めているのかを知る機会はなかったという。そんな彼女を救ったのは、一人のカウンセラーだった。「性虐待を受けたことがあるんじゃないの?」と聞かれて初めて、彼女は自分が封じ込めていた「実父からの性虐待」という過去に向き合うようになった。「言語化していく過程でフラッシュバックも起きた。家族とのいい思い出もたくさんあるので、とても苦しかった。混乱しました」
実名で実父からの性虐待を語った本は、日本で初めてなのだという。「自分はダメな、汚らわしい存在だと思っていた」と言う彼女。「同じ体験をしている人に、被害を受けたあなたが悪いんじゃない、と伝えていきたい」と語る。