米ニューヨーク・マンハッタン区のタイムズ・スクエア【拡大】
低賃金に加えて従業員らの怒りを倍加させているのが、広がる一方の格差だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が4日公表した家計調査によると、上位3%の層の所得が全体に占める比率は、2010年の27.7%から13年には30.5%に上昇。資産格差の拡大はさらに深刻で、保有資産上位3%の層の資産が全体に占める比率は、1989年の44.8%から2013年には54.4%に上昇し、一方で下位90%の資産の比率は、33.2%から24.7%に低下した。
こうした現状は社会不穏の温床になりつつあり、最低賃金の10ドル10セント(約1060円)への引き上げを訴えてきたバラク・オバマ大統領(53)は1日、ミルウォーキーでの演説でファストフード従業員の運動に触れ、「米国民は賃上げに値する。この明瞭な事実は否定のしようがない」と支持する立場を明らかにした。
強欲むき出しの行きすぎた資本主義がもたらした窮状といえるが、常に米国にならい、小泉政権以降、国際競争力が減退し、貧富の格差も徐々に広がっている日本にとって人ごとではない。(SANKEI EXPRESS)