自家農園「スリー・リーフ・ファーム」敷地内の水源地に立つラニー・マルティネリさん。農園は昨年9月にコロラド州を襲った大洪水で甚大な被害を受けたが、そのときに地下水の流れが変わったらしく、敷地内の低地に水が湧き出すようになった=2014年5月18日、米コロラド州ボルダー郊外(ディスカバー・アメリカ撮影)【拡大】
コロラド州の州都デンバーから自動車で約30分。標高1600メートルの山間に位置し、陸上選手の高地トレーニングで知られるボルダーは、岩峰フラッグスタッフ(2095メートル)を盟主とする自然保護区が市街地のすぐそばに広がる人口9万人の街だ。
ボルダー市は市街地の拡大と乱開発を抑制する政策を強力に進めてきた。この自然保護区も市当局が1998年に約32万平方メートルの土地を買い取り、保全しながら住民に公開してきたものだ。ボルダーの住民は、都市化の恩恵よりも、職住接近の暮らしに加え、朝夕に雄大な山岳公園を散歩する特権を選んだとでも言えるだろうか。
そんな空気がおいしい自然保護区の一角に、市内で指折りの人気を集めるレストラン「ダイニングホール・アンド・グリーン」がある。メニューに並ぶのは、グリルチキンやキッシュなど多くの米国人にとって身近な家庭料理がほとんどだ。オーガニックな素材をふんだんに使い、丁寧に調理することで、「子供の頃から慣れ親しんできた料理が、とてもおいしく食べられる」と評判なのだ。