ラッパーとしてステージに立つと、スイッチがオンになるのだというGOMESSさん(右)と一般社団法人「Get_in_touch」理事長、東ちづる。Low_High_Who?_Productionにて=2014年8月13日(山下元気さん撮影)【拡大】
「元ひきこもり」「自閉症ラッパー」というキャッチフレーズ、ユーチューブやプロモーションビデオに映し出される繊細な表情、「孤独の世界からいつも見てる」という楽曲「人間失格」の印象的な歌詞…。そのイメージからインタビューに不安を感じていたが、現れた彼は人懐っこい笑顔で迎え入れてくれ、次から次へ言葉を紡ぎ出す、魅力的な人だった。
自閉症とわかったのは10歳のとき。授業さえ出ていればテストはほとんど100点。はしゃぎ声が嫌いで、みんなと遊ぶことがおもしろくない。こだわりが強い。自分をコントロールできなくなる時がある。なんとなく他の子とは違う…。そんな自分に気づいてはいた。
小5のある日、暴れたことをきっかけに学校に行かなくなった。「理由は覚えていない。机や椅子が倒れ、飼ってた金魚も散らばり、気づいたら床に寝転がって、馬乗りの先生に取り押さえられていた。遠巻きに眺める子供たち。学校へのイメージが、そのシーンで埋め尽くされてしまった」と、彼は淡々と話す。