朝日新聞が5月20日付の紙面で報じた「吉田調書」の記事=2014年【拡大】
門田氏は「今回は、たまたま私のブログが注目されたが、今や当事者がネットで発信できる時代。一次情報を独占し、その一部を大衆に下げ渡していた従来の大メディアの手法は通用しなくなっている」と話す。
また、朝日新聞は今回、産経新聞を含む疑問を呈した他のメディアに法的措置の可能性を示した抗議文を送付し、後に撤回。一部週刊誌の新聞広告の掲載を拒否したり、一部表現を黒塗りにしたりといった対応にも注目が集まった。
上智大の田島泰彦教授(メディア法)は「侮辱的な批判は除き、報道機関として異なった報道が出てきた時点で検証を始め、記事に対する反論は紙面ですべきだった」と指摘。そのうえで、「疑義を持たれた報道に真摯(しんし)に対応することもジャーナリズムには求められている」と話す。
居直りよりも自律性
朝日新聞は11日、社内の新組織で取材や報道の問題点を検討すると同時に、吉田調書、慰安婦問題をめぐる報道について、それぞれ第三者機関に審理や検証を求める考えを示した。ただ、青山学院大の大石泰彦教授(ジャーナリズム倫理)は「メディア自身が自浄能力を示すことが最も大切。第三者機関に検証を依頼することも有効だが、第三者に丸投げして説明回避のための理由にしてはならない」と、くぎを刺す。