英スコットランドのポンド紙幣を手にする男性。スコットランドでは、イングランドとは異なるデザインの独自のポンド紙幣が流通している。しかも、各銀行が別々のデザインを採用している=2014年9月6日(内藤泰朗撮影)【拡大】
英国に残留したまま理想を追求することはできないのか。そう尋ねると、「彼ら(イングランド)はその歴史で、一度も私たち(スコットランド)を平等に扱ったことはない。独立するのは当然のことだ」と首を振った。
「革命的なことが起こるわ」。そう語るリズさんの声には、イングランドへの怨念すら感じられた。
油田で福祉国家
1707年に、イングランドとの長年の対立の末に連合王国を形成したスコットランドは、大英帝国の発展とともに経済成長を遂げた。しかし、1979年に誕生したサッチャー政権は国営企業の民営化を断行。造船、鉄鋼など重厚長大産業は壊滅し、街には失業者があふれて社会主義的な政策を求める声が高まった。以来、スコットランドでは教育費や医療費は地元政府が全額負担している。
独自の政策が実施できる資金源になっているのが、70年代にスコットランド沖で発見された北海油田だ。独立派はその油田の完全な所有権を主張し、さらなる福祉国家建設に邁進(まいしん)しようというのだ。