スペイン・カタルーニャ自治州バルセロナ【拡大】
一方、中央政府のマリアノ・ラホイ首相(59)は19日、「法案可決は遺憾だ。英国と違って独立住民投票はわが国では違憲であり、阻止されるべきもの。憲法は州法に優先する」とする声明を出した。
ラホイ首相はこの日朝、スコットランドの独立否決を受けて「とてもうれしい。スコットランド人はリスクと安全、分裂と統合、孤立と共生の間で賢明な選択をした」などと語っていた。独立住民投票についてはスペイン憲法裁判所が3月に「国の枠組みを地方政府が決めることはできない」として「違憲」と判断している。
背景に経済的不公平感
カタルーニャは歴史的にフランスとの関係が深く、民族意識も強い。スペイン語のことをカスティリャーノ語(マドリードがあるカスティーリャ地方の言葉)と呼び、独自の言語を持っている。このため、以前から独立志向は住民の間にあったが、本気で考えるのは少数派で、カタルーニャ人としての誇りは大いに掲げるが中央政府との対立先鋭化も望まないというのが、住民意識の主流だった。