東京都議会で報道陣の取材に答える自民党の野島善司(ぜんじ)都議=2014年9月16日、東京都新宿区(共同)【拡大】
セクハラやじで揺れた東京都議会で、男女共同参画を推進する議員連盟会長に就任した都議の発言がまた波紋を呼んだ。「『結婚したらどうだ』というのは僕だって言う、平場では」という、あの発言だ。
「会長の職にある者の発言ではない」と憤る意見もある。また、「自分も普段そのくらい言っている。メディアの過剰反応だ」と首をかしげる向きもある。
それぞれの声を聞きながら、私自身の感想はひとつしかなかった。「何で、あの場で思っていることを正直に話してしまったのだろうか」というものである。
記者やカメラの向こうには、不特定多数の視聴者や読者がいると分かっていたはず。ましてや、都議会がセクハラやじで混乱した後である。
都議が「結婚したらどうだ」と話した相手と、そのような話をざっくばらんにできる関係だったのなら、どんな会話をしようとまったく構わないのだ。だけど、あのとき、カメラの前で、その話をする必要はなかったのではないか。
思ったことを適切とはされない場で口に出すと、思いがけない波紋を呼ぶ。ただ、その場が適切かどうかを判断するのは、かなり難しい。だから、私は思ったことをすぐには口に出さないようにしている。理不尽な仕打ちをされた相手にとっさに言い返したいときも、心の中で罵倒して済ませる。