女の子が欲しかったママ(ガリエンヌ)のもとに生まれた3人兄弟の末っ子、ギョーム(ガリエンヌ)。エレガントなママに憧れて女の子のように育った彼は、父親(アンドレ・マルコン)から無理やり男子校の寄宿舎に入れられてしまう。だが、身のこなしが女の子っぽいギョームは男っ気ムンムンの寄宿生たちからいじめの対象となり、英国の学校へ転校せざるを得なくなった。今度は心穏やかに過ごせるかと思いきや、男子生徒を相手に大失恋。自分の人生はこれでいいのか? 疑問を抱いたギョームは自分探しの旅に出る。
ブルジョアの教育
ガリエンヌは、性別は男性でも心はすっかり女の子そのもの-という特殊事情ゆえの葛藤を、奇をてらって殊更に強調したかったわけではないという。「裕福なブルジョア階級に生まれた僕は幼い頃からさまざまな教育を受けてきました。その一つに『どんなにつらいことがあっても言い訳しない』という信条があります。彼らは愚痴も言わない。その辺の息苦しさも映画に盛り込みたかったわけです」。確かに作品に登場するギョームの父母は無駄口はきかないし、女性街道まっしぐらのギョームを目の当たりにした父親も、苦言をぽつりと漏らすといった程度のもの。「不機嫌なママ~」というタイトルもそんな事情を表現したものだろう。