日本最大級のモスクである「東京ジャーミイ」の荘厳な堂内。案内してくれた下山茂さん(左)と、一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる=2014年9月5日(取材協力:東京ジャーミイ・トルコ文化センター、山下元気さん撮影)【拡大】
モスクを案内してくれた下山さんは「イスラム文化の美しさを知ってほしい」と語る。もちろんイスラムの魅力は、そのエキゾチックな文化だけではない。
下山さんは大学生の時、アフリカのナイル川をゴムボートで旅をし、行く先々の村で心に残るもてなしを受けた。まるで親戚のように。彼らのホスピタリティーがイスラム教の精神によるものだと知ったことが、ムスリムになるきっかけだったそうだ。以降、下山さんは日本人ムスリムとして、その魅力を発信し続けてきた。
「世界は何もアメリカとヨーロッパだけで構成されているわけではない。けれども、ずっと西欧をお手本にしてきた日本では手に入る情報が偏っている。イスラム教についての知識を得る機会が少ない」。下山さんの言葉も目力も熱い。こちらの胸も熱くなってくる。
皮膚の色が違っても
では、いったいイスラム教とはどういう宗教なんだろう? 下山さんは「根底にあるのは平等。皮膚の色(人種)が違っても、人間はきょうだい(平等)という教え」と言う。