日本最大級のモスクである「東京ジャーミイ」の荘厳な堂内。案内してくれた下山茂さん(左)と、一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる=2014年9月5日(取材協力:東京ジャーミイ・トルコ文化センター、山下元気さん撮影)【拡大】
イスラム教の「平等」には長い歴史があり、奴隷解放は7世紀に遡(さかのぼ)る。イスラム教が生まれて間もなく、預言者たちはビラールという一人の黒人奴隷を解放する。そして彼を礼拝の同じ列に加えたのだという。「アメリカには19世紀まで黒人奴隷がいて、彼らには自由も民主主義もなかった。7世紀当時の社会的常識を考えると、奴隷だった黒人を同じ礼拝の列に加えるなんて、あり得ないことでした」と、下山さん。
礼拝では誰しも横一列に並び、その前を横切ってはいけない。アッラー(神)と自分の間には何も存在しない、横切るのはその関係を断つことになるとのこと。「トルコから首相がきても、その列のどこかに並ぶだけです」と言う。
ムスリムの多くは平等の精神を重んじ平和を愛する人たちだ。そして、実は、世界中でムスリムは増え続けており、「今や4人に1人がムスリムの時代」。イスラム教が多くの人に支持されるのには理由があるのだ。