リベリアの空港では出国時に検査が行われているが、この男性はまだ発症しておらず出国を止められなかった。米CDCは「米国到着後に発症しており、航空機内で他の乗客に感染する恐れはなかった」と強調した。だが、米国内ではいとも簡単にリベリアで感染者と接触した男性がチェックをすり抜けたことに衝撃が広がっている。受診した病院の杜撰(ずさん)な対応も重なり、1日の米株式市場で株価が急落する大きな要因となった。
世界保健機関(WHO)は1日、エボラ熱による死者が9月28日までで3338人に達したと発表した。国際社会は、感染地域への支援活動に支障が出て事態をさらに悪化させる「渡航制限」には慎重で、国連安全保障理事会も9月18日に航空便の路線維持を求める決議を採択した。だが、米国内では下院のグレイソン議員がツイッターに「なぜリベリアからの訪問を許しているのか」と書き込むなど、空路による飛び火への不安が広がっている。(SANKEI EXPRESS)