作中には若きマルタの演奏シーンなど貴重なアーカイブ映像も満載だ。「映像からは『女性が社会でどんな役割を果たすべきか』と大勢の人々が考えた時代の空気が垣間見えます。映画では時代をリードしてきた母がそんな時代を生きてきたんだと伝えることもできました」。若い視聴者に古くて新しい問題も問うている。東京・Bunkamuraル・シネマなどで公開中。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)
■Stephanie Argerich 1975年3月17日、スイス・ベルン州生まれ。スイス、アルゼンチン、ベルギー国籍。父はピアニストのスティーブン・コヴァセヴィッチ。モスクワではロシア語を学んだ後、米ニューヨークのパーソンズ・デザイン・スクールで写真撮影を勉強した。パリでは、ビデオ撮影のトレーニングも受け、初監督作の本作に臨んだ。