伝統の本質、魅力
驚くほどモダンなたたずまい、継承された技術と精神に、今という命を吹き込むことによって生み出される形。そこからは、伝統の持つ本質とその魅力を改めて知り得る。日本の清らかな精神性を彫りに込め、自然を凝縮した優しくも奥深い漆で包みこんだ博古堂の逸品の可能性に、更なる広がりを感じずにはいられない。(「丸若屋」代表 丸若裕俊(まるわか・ひろとし)/SANKEI EXPRESS)
■丸若裕俊(まるわか・ひろとし) 「丸若屋」(maru-waka.com)代表。日本とフランスを拠点に、伝統工芸から最先端工業に至る幅広い分野で最高峰の技術との革新的な取り組みを通し、21世紀を生きる人々の生活に驚きと喜びの提供を行う。パリ・サンジェルマンにて、美しき日本の品々の展示販売を行う“NAKANIWA”をオープン。2016年に創業400年を迎える有田焼の海外プロジェクトも今秋始動。
■博古堂(はっこどう) 代々造仏を家業としてきたが、明治時代より鎌倉彫に移行、現在に至る。1900年、鎌倉・鶴岡八幡宮前に店を構え「博古堂」と号す。48年、先代・後藤俊太郎が、株式会社博古堂を設立。1889年のパリ万国博覧会などに出品、受賞を重ねる。