【アメリカを読む】
米国の政界には「六年目の浮気」という言葉がある。地下鉄の通気口から吹き上げる風でマリリン・モンローのスカートがまくれるシーンで知られる映画「七年目の浮気」(1955年)をもじった造語らしく、大統領任期6年目の中間選挙で有権者が野党になびく現象を指す。シリアでイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」への空爆に踏み切った民主党のバラク・オバマ大統領(53)は、このジンクスによる民主党の損失を最小限に食い止められるだろうか。
例外はクリントン氏のみ
第二次大戦後の大統領で「六年目の浮気」を逃れられたのは民主党のビル・クリントン元大統領(68)だけだ。
共和党はクリントン氏自身のホワイトハウス元実習生、モニカ・ルインスキーさん(41)との「浮気」を追及することで1998年の選挙戦を有利に進めようとしたが、好調な景気は民主党を後押しした。共和党が不倫疑惑を理由に大統領弾劾を求めて行った過度のネガティブ・キャンペーンも嫌気されたとみられ、民主党は下院で5議席増、上院で現有議席維持という勝利をおさめた。