以来、私はすっかり伊藤さんの「フォロー・ミー」に夢中になってしまいました。私は着物のプロデュースも手がけているのですが、ファッションショーでは必ず最後にこの曲をかけさせていただいています。幻想的な雰囲気が、とても着物と合うんですね。
そんな、私にとって特別な「フォロー・ミー」を、ついに生で、とても近くで聞くことができたのです。ずっと伊藤さんにお会いしたくて、何度もオファーをしていたのですが、なかなかスケジュールが合わず…やっと、やっとの対面でした。
最初にお会いしたときの、一言がしびれました。「IKKOさんが最初に聞いたときのようには歌えないかもしれないわ。私、もう、アンティークだから」。アンティーク…その言葉がすっと出てくるのが、伊藤さんのすごさです。バッグも、家具も、すべての“本物”は、傷がついても、汚れても味に変わっていく。もとのものよりも、価値が増していく。ああ、この方は人生の引き出しに、たくさんのものを詰めていらした方なんだ…と思わされました。深いものを知り尽くさないと、出てこない言葉ですよね。