(左から)「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)」ジャパンの代表、志村真介さん、暗闇のエキスパートであるアテンドのえばやん、ランランと、一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる=2014年9月14日(山下元気さん撮影)【拡大】
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)」は、1988年にドイツの哲学博士、ハイネッケ氏の発案から生まれた暗闇のソーシャルエンターテインメントだ。参加者は完全に光を遮断された空間にグループで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障がい者)のサポートのもと探検さながらにいろいろなシーンを体感する。DIDジャパンの代表の志村真介さんとアテンドのランランに話を聞いた。
渋谷に常設会場
9年前、初めて体感したDID。一筋の、いや一点の光もない暗闇での体感する暖かさや癒やし、感動が忘れられず、時々家中を真っ暗にし、さらに目を閉じて歩いてみる。すると普段いかに視覚に頼って暮らしているかがわかる。五感の視覚以外の感覚が研ぎ澄まされ…とまではいかないにしても、感覚が張り切り出すのがわかる。
世界35カ国の約130都市で開催されてきたDIDを、日本に持ち込んだのが、志村真介さんだ。真介さんとDIDの出会いは93年。新聞の海外トピックスでDIDの記事を読み、「ヨーロッパは進んでいる」と感動。「日本でも目に見えるものに投資するだけでなく、人間の関係性を求める時代が来るはずだ」と直感したという。