100年以上の歴史があるカフェ「ラグマリチーノ」。リンゴをキャラメルなどでカバーした季節ものの「キャラメル・アップル」作りに追われていた=2014年10月12日、米イリノイ州モリーン(緑川真実さん撮影)【拡大】
近所には、イタリアからの移民が1908年に創業したカフェ「ラゴマリチーノ」がある。オリジナルのアイスクリームが人気で、ディア&カンパニー社の社員も通う。この日は老夫婦がチョコレートサンデーを分け合っていた。移民たちが繁栄の歴史を作ってきた農業大国アメリカ。モリーンは、その横顔がかいま見える街でもある。
≪ここは「ハート・オブ・アメリカ」≫
イリノイ州は米国を横断した「ルート66」(旧国道66号線)の起点でもある。1926年に創設、シカゴからカリフォルニア州サンタモニカまで、米南西部の約3755キロメートルを結んで経済や産業の発展に貢献した道路で、繁栄に向かう米国をイメージさせる象徴として多くの映画や音楽にも登場した。高速道路の発達で85年に廃線となり、現在は一部が一般道路として活用されている。沿線には往年の名所が多い。
シカゴと州都スプリングフィールドの中間点、ポンティアックには「ルート66博物館」と「自動車博物館」がある。標識や看板、ガソリンスタンドで使われていた道具、クラシックカーなど、マニア垂涎(すいぜん)のコレクションがずらり。街中には、ポンティアックにほれ込み、移住してきた中国人アーティスト、タン・ドンバイ氏による作品も並ぶ。