【アメリカを読む】
2016年の大統領選を見据え、ポール・ライアン下院予算委員長(44)やランド・ポール上院議員(51)といった共和党の大統領候補たちが貧困層への補助金制度の改革など弱者への配慮をアピールする政策案を続々と打ち出している。米国では貧困拡大が依然として深刻な問題だが、小さな政府を志向する共和党は貧困層に冷たいとの印象を持たれることが多い。各大統領候補はこうしたイメージを一新して、大統領選での支持を広げようと躍起になっている形だ。しかし各大統領候補のイメージチェンジ戦略に対する共和党指導部からの反応は薄く、党としての路線変更には至っていないとの見方もある。
続々とイメチェン
「必要なのは苦しんでいる家族に対する足並みのそろった支援だ」。2012年の大統領選で共和党の副大統領候補だったライアン氏は7月24日、ワシントン市内の保守系シンクタンクで貧困対策の改革案を発表して注目を集めた。