アルゼンチン・首都ブエノスアイレス【拡大】
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アルゼンチン国債の約13年ぶりの債務不履行(デフォルト)に向けたカウントダウンが始まっている。アルゼンチンは2001年のデフォルト後、債務カットに応じた債権者への返済を続けてきたが、6月16日の米連邦最高裁判所の判決を機に、(6月)30日が期日だった利払いが認められない状況に陥っているためだ。アルゼンチンは利払いのためには、債務の全額返済を求める米ヘッジファンドとの交渉をまとめなければならない。しかし全額返済に応じれば、別の債権者からも全額返済を求められるリスクがあり、ヘッジファンドとの交渉は難航している。一方で7月末までに交渉をまとめられない場合は、格付け機関からデフォルトと認定されてしまう。いずれの場合も経済が下押しされることは避けられず、アルゼンチンは危機的な状況に立たされている。
「平等原則に反する」
「最高裁の判決はアルゼンチンを経済危機に落とし込むものだ」。アルゼンチンのアクセル・キシロフ経済財政相(42)は6月25日、米ニューヨークの国連本部での記者会見で最高裁判決に強い不満を示した。