アルゼンチン・首都ブエノスアイレス【拡大】
一方のヘッジファンドは最高裁判決を後ろ盾に、アルゼンチンに全額返済を求める姿勢を崩していない。ヘッジファンドは保有しているアルゼンチン国債の大半をデフォルト後に安値で購入しているとされ、全額返済を受けられれば高い利回りを得られるからだ。キシロフ氏はこうしたヘッジファンドのビジネスモデルを「ハゲタカ」と呼んで厳しく批判する。
しかしアルゼンチンとヘッジファンドの主張がかみ合わないまま、6月30日の債務カットに応じた債権者への利払い期日を過ぎたことで、すでにアルゼンチンは返済を延滞している状態にある。
信用格下げを示唆
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズは7月1日、アルゼンチン国債の外貨建て長期信用格付けを一部のデフォルトを示す「SD」に引き下げる可能性があると発表した。30日間の支払い猶予期間が終わるまでは引き下げは行わない方針だが、「アルゼンチンは半分以上の確率で猶予期間中に利払いができない」との見方も示しており、デフォルトはますます現実味を増している。