アルゼンチン・首都ブエノスアイレス【拡大】
(6月)16日に最高裁が示した判断は、アルゼンチンが13億ドル(約1330億円)の債務の全額返済を求めるヘッジファンドと協議をまとめなければ、債務カットに応じた債権者に対する返済も認められないとする内容。「アルゼンチンが債務カットに応じた債権者に返済を進める一方で、債務カットに応じていない債権者に返済を行わないのは、債権者を平等に扱う原則に反している」とするヘッジファンドの主張に沿ったものだった。
キシロフ氏が最高裁判決に反発する背景には、ヘッジファンドへの全額返済に応じれば、他の債権者からも同様の対応を求められかねないという事情がある。ヘッジファンドと同様に債務カットに応じなかった債権者の分だけでも、追加的な返済負担は150億ドル(約1兆5300億円)に上るとみられ、アルゼンチンの外貨準備高の半分以上が失われることになる。
「ハゲタカ」と批判
アルゼンチンはさらに、すでに債務カットに応じた債権者まで全額返済を求める事態になれば、返済負担は1200億ドル(約12兆2400億円)に達すると主張。アルゼンチンの国内法が債務カットに応じた債権者よりも優位な条件での返済を禁じていることも理由に挙げて、ヘッジファンド側への全額返済を徹底的に拒む考えだ。