【アメリカを読む】
米連邦準備制度理事会(FRB)は6月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、米国債などを大量購入する量的緩和政策の縮小とゼロ金利政策の継続を決めた。ジャネット・イエレン議長(67)はFOMC後の記者会見で、経済拡大というプラス要因と雇用環境の不安定さというマイナス要因を合わせて強調し、景気の上ぶれと下ぶれを想定した安全運転に徹している。ただし市場では、失業率の低下が続いていることや物価上昇ペースが安定し始めていることから、イエレン氏よりも景気に強気な見方も多い。FRBが示した政策金利水準の見通しも、利上げ開始時期の前倒しを示唆するもので市場での臆測を呼びそうだ。
昨年12月から5回連続縮小
FRBは量的緩和政策の規模を月450億ドルから350億ドル(約3兆6000億円)に7月から縮小させることを決定。規模縮小は昨年(2013年)12月のFOMC以降5回連続だ。イエレン議長はFOMC後の記者会見で「足下の経済活動は立ち直っており、今後も緩やかな拡大を続けてく」と発言。ゼロ金利解除に向けた「出口戦略」の詳細を年内に明らかにする方針も示し、量的緩和で膨らんだFRBの保有資産額を徐々に正常化させていく準備も進めつつある。