年収240万円未満が15%
背景にあるのは米国での貧困問題の深刻さだ。米国勢調査局の2012年の調査では、連邦政府が定めた貧困ライン(4人家族の場合、年収約2万3500ドル=約240万円)未満の人口の割合(貧困率)は全米で15.0%。00年以降、上昇傾向が続く。なかでも黒人の貧困率は27.2%で、白人の12.7%を大きく上回る。
ブルッキングス研究所が7月末に発表した08~12年の統計データに基づいた調査では、貧困率40%以上の地区の数は全米で3570。00年の2080地区から7割以上も増えた。これらの貧困地区の半数以上は都市部にあるが、郊外での増加率が高い傾向がある。
共和党は医療保険制度改革(オバマケア)への反発を続ける強硬な態度が批判されるほか、貧困問題などについても「オバマ政権の政策に反対するばかりで、具体的な対策を示さない」との指摘も受けてきた。12年の大統領選でも所得が低くなればなるほど再選を目指した民主党のバラク・オバマ大統領(53)に投票する割合が高くなる傾向が明らかだった。