72年、大統領選の最中に共和党の工作員がウォーターゲート・ビル内の民主党本部に侵入した事実が発覚したことを発端とするウォーターゲート事件では、若手記者だったボブ・ウッドワード、カール・バーンスタイン両氏を叱咤激励し、政権の関与を暴露する数々のスクープ記事を掲載。ニクソン氏は74年辞任に追い込まれた。
ブラッドリー氏は、ベトナム戦争に関する国防総省の秘密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」の報道にも踏み切り、政権と対峙(たいじ)し続けた。
ポスト紙の社説は「最も大きな権力を持つ者は真実を語らねばならないという信念の持ち主だった。その信念が記者たちを鼓舞した」と、紹介。ウォーターゲート事件報道を通じ記者たちは「頑固さ、豪胆さ、プロ根性」を学んだと振り返った。
何よりも真実追求
鋭い眼光、しゃがれ声、ぶっきらぼうな物言いの一方で、周りに人を集める魅力にあふれていた。