「裏付けが取れない間は、記事の掲載を認めない」「二度とヘマをやらかすな」。ウッドワード氏は、うたぐり深い編集主幹に何度も辟易(へきえき)としたという。だが、「何よりも真実を追求するという信条があった」とも言う。
真骨頂を発揮したのは、政権がポスト紙を非難し有形無形の圧力をかけたときだ。「報道は国益を害する」と迫る政権関係者を、ブラッドリー氏は「何が真の国益であるかは、われわれが判断する」と一喝したという。
司法、立法、行政の三権に対し、報道機関が政権、政府を監視する「第4の権力」と称されたのも、このころだ。ブラッドリー氏はまさに、それを体現した「真の新聞人」(オバマ大統領)だった。(SANKEI EXPRESS)