農村部の所得向上を
タイから参加したのは、農村部の女性職人とともに織物を製作・販売する「フォークチャーム・クラフト」のパサウィー・タパサナンさん(29)。男女の雇用機会が均等な都市部とは違い、農村では女性が経済的に自立するのは難しいという。タパサナンさんは、そんな農村の女性職人と共同で、綿花の栽培から伝統のオーガニック織物の製作、販売までを行い、農村の伝統を守ると同時に、女性の所得向上に取り組んでいる。報告会前日に、都内の小物・生活雑貨を販売するデパートやショップを見学したタパサナンさんは「日本人の消費者は、手工芸品や職人に高い敬意を持っていることに感銘を受けた。タイの手工芸品を私自身が牽引(けんいん)していきたい」と意気込みを語った。
「アジア女性社会起業家セミナー」は、メコン地域(カンボジア、タイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス)の女性社会起業家の経験共有とネットワーク構築を狙いとして開催された。
メコン地域で活動する女性社会起業家ら約40人がバンコクに集結し、3日間にわたり現状や課題を議論し、各自が培ってきたノウハウを共有。最終日には、地域初となる「アジア女性社会起業家ネットワーク」の発足が宣言された。