出会いからコラボ
セミナーをきっかけにコラボレーション事業を始めることになった一人に、ミャンマーから来日したチチ・ネインさん(40)がいる。ミャンマーでは、伝統手工芸技術の衰退が課題となっている。ネインさんが代表を務める「クラフト・ミャンマー」は、地方の金細工職人や木工細工職人が装飾を施したUSBメモリーを販売しており、主にミャンマーの企業がギフト用などとして発注している。ネインさんは、「私たちの活動を通してミャンマーの伝統手工芸技術の継承と、ミャンマー人としてのアイデンティティー確立に貢献したい」と意欲的だ。
セミナーで知り合ったミャンマーの女性起業家から依頼を受け、彼女が農村部で作っている手染めのスカーフのギフトボックスを「クラフト・ミャンマー」で伝統技術を用いて製作することになったのだ。「セミナーで、同じ目的意識を持つ社会起業家と巡り合えたことが、とても大きな財産」と、ネインさん。
アジアでは、ビジネスの手法を用いて、社会的課題の解決に取り組む女性起業家が増えている。そんな女性たちが、セミナーで出会い、新しい可能性が生まれた。(日本財団 ソーシャルイノベーション本部 田中麻里/SANKEI EXPRESS)