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【ヤン・ヨンヒの一人映画祭】「ナチスとヨーロッパ」撮り続け (1/4ページ)

2014.10.24 14:40

映画「マルタのことづけ」(クラウディア・サント=リュス監督)。公開中(ビターズエンド提供)

映画「マルタのことづけ」(クラウディア・サント=リュス監督)。公開中(ビターズエンド提供)【拡大】

 □映画「シャトーブリアンからの手紙」

 「ブリキの太鼓」監督の新作

 映画史上もっともセンセーショナルな事件として今も語り継がれる名作「ブリキの太鼓」(1979年)の名匠、フォルカー・シュレンドルフ監督(75)の新作「シャトーブリアンからの手紙」がいよいよ日本で公開される。

 「ブリキの太鼓」といえば、ナチス台頭時のポーランドを舞台に、3歳で肉体的成長を止めてしまった少年の目を通して描かれた寓話(ぐうわ)のようだった。大人たちのズルさ、卑猥(ひわい)さ、あさましさを暴力的なほどグロテスク&エロチックに描いた過激な作品は、観賞後の“不快感”さえも愉(たの)しめと言わんばかりの毒気に溢(あふ)れていた。スクリーンから人間の肌の艶(つやや)かしさや腐った魚の臭いが襲ってくるような錯覚にとらわれ、公開当時高校生だった私はトラウマになるほどの衝撃を受けた記憶がある。

 その後も多くの名作を世に送ったシュレンドルフ監督の「シャトーブリアンからの手紙」は、「ドイツ人監督が、ドイツとフランスの混成スタッフとキャストで描いた、ナチス占領下におけるフランス市民銃殺事件」として注目されている。

双方の違和感、葛藤描く

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