構想聞き「面白い」
「普通のライブビデオにはしたくありませんでした。初めて監督から作品の構想を聞いたとき、素直に『面白い』と思いましたよ」とギター担当の菅波栄純(35)。自分たちの音楽作品も、物語があって、音楽がある、心の風景を音で映像化する-というスタンスがあることを踏まえ、「熊切監督に強烈なシンパシーを感じた」という。
ボーカルの山田将司(35)は「僕たちも熊切監督のように人間のあらゆる感情を描きたいと考えて、活動してきました」と満足そう。作中には、「月光」「生命線」「シリウス」「罠」「幸福な亡骸」など11曲が挿入されている。
熊切監督は12月、本作を置き土産にフランスへ渡り、半年ほど映画の勉強に打ち込むという。物事の上っ面だけをとらえた浅薄な作品が大嫌いとよく口にする熊切監督だけに、充電後のさらなる活躍が今から楽しみだ。11月1日から新宿ピカデリーほか全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:大山実/SANKEI EXPRESS)