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【花緑の「世界はまるで落語」】(31) 究極の感謝はご先祖の供養 (3/4ページ)

2014.11.1 12:00

三代目柳家小さん師匠のお墓参りで東京・雑司ヶ谷の法明寺へ=東京都豊島区(柳家花緑さん提供)

三代目柳家小さん師匠のお墓参りで東京・雑司ヶ谷の法明寺へ=東京都豊島区(柳家花緑さん提供)【拡大】

  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)とその一門。(前列左から)花ん謝(かんしゃ)、鬼〆(おにしめ)、花緑、初花(しょっぱな)、柳貴家雪之介(やなぎやゆきのすけ)、(後列左から)圭花(けいか)、緑太(ろくた)、フラワー、緑君(ろっくん)、花いち(はないち)、まめ緑(まめろく)、花どん(はなどん、提供写真)
  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)とその一門。(前列左から)花ん謝(かんしゃ、3人目の弟子)、鬼〆(おにしめ、2人目の弟子)、花緑(師匠)、初花(しょっぱな、最初の弟子)、柳貴家雪之介(やなぎやゆきのすけ、弟子ではなく一門に入門)、(後列左から)圭花(けいか、10人目の弟子)、緑太(ろくた、7人目の弟子)、フラワー(8人目の弟子)、緑君(ろっくん、4人目の弟子)、花いち(はないち、5人目の弟子)、まめ緑(まめろく、6人目の弟子(女性))、花どん(はなどん、9人目の弟子(花緑さんの弟子はこの時点で9人)=2012年7月7日現在
  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)さん(ミー&ハー_コーポレーション提供)
  • 【本の話をしよう】「落語が教えてくれること」(柳家花緑著/講談社、1000円、提供写真)

 故人に会える場所

 三代目は文豪・夏目漱石さんと正岡子規さんが2人で寄席通いをしてひいきにしていた落語家だと聞いております。立派なお墓でした。

 まずホウキとチリトリを持って掃除を一通りし、お水は決して墓石の上からは掛けません。お墓は人の形を模して造られています。つまり一番上は頭です。頭に冷水をかぶせるのは無礼ですのでぬれたきれいなふきんで拭きます。そしてロウソクに火を付け、その灯火にご先祖さまが来られます、用意したお供え物を食べられる状態にして供え、拝んだらその場で一緒に食べます。このお参りの仕方は、私の親友に陰陽師(おんみょうじ)がおりますので、彼から教えてもらいました。

 でもお墓と聞くと秋川雅史さんの歌う「千の風になって」を思い出します。この歌は「お墓にはいません!」と言っているんです。自分が死んだときのことを考えると、死んでからずーっとお墓にいなければいけないのは苦痛です。地味で暗いお墓に何が楽しくてずっと眠っていなければいけないのか! じゃ墓参りに意味がないのかというと、そうではなくて、お墓は彼の世とこの世をつなぐ橋、入り口です。故人と対面する場所だと思います。

墓石に故人の遺志が正に降りてくる

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