故人に会える場所
三代目は文豪・夏目漱石さんと正岡子規さんが2人で寄席通いをしてひいきにしていた落語家だと聞いております。立派なお墓でした。
まずホウキとチリトリを持って掃除を一通りし、お水は決して墓石の上からは掛けません。お墓は人の形を模して造られています。つまり一番上は頭です。頭に冷水をかぶせるのは無礼ですのでぬれたきれいなふきんで拭きます。そしてロウソクに火を付け、その灯火にご先祖さまが来られます、用意したお供え物を食べられる状態にして供え、拝んだらその場で一緒に食べます。このお参りの仕方は、私の親友に陰陽師(おんみょうじ)がおりますので、彼から教えてもらいました。
でもお墓と聞くと秋川雅史さんの歌う「千の風になって」を思い出します。この歌は「お墓にはいません!」と言っているんです。自分が死んだときのことを考えると、死んでからずーっとお墓にいなければいけないのは苦痛です。地味で暗いお墓に何が楽しくてずっと眠っていなければいけないのか! じゃ墓参りに意味がないのかというと、そうではなくて、お墓は彼の世とこの世をつなぐ橋、入り口です。故人と対面する場所だと思います。